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印籠屋の看板
112×165
江戸時代後期
17,18世紀に印籠が上流の人士の装いに必要なものになると、伝統的な漆芸にとっては新しい表現の手段になりました。
印籠は絹紐で帯から吊るし根付で留めました。何重にもなったこの箱には、元来は印を納めましたが、後には没薬、麒麟血、肉桂皮、朝鮮人参などの薬を入れることに転用されました。
印籠は贅沢品で、裕福な武士や振興の商人階級は漆職人に注文して精巧な品を作らせました。
印籠の看板も、印籠そのものと同じくらい念入りに作られました。この印籠も黒漆の上に紋所を書き、絹の房をつけてあります。